精選版 日本国語大辞典 「ソロビヨフ」の意味・読み・例文・類語
ソロビヨフ
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ロシアの宗教哲学者,詩人,政論家。歴史家セルゲイ・ソロビヨフの子。モスクワ大学卒。ペテルブルグ大学で《西欧哲学の危機》によって修士号を,《抽象的原理批判》によって博士号を得,同大学で非常勤講師として講義。しかし1881年,皇帝を暗殺した革命家たちの恩赦を要求したために大学を追われ,その後は著述生活を送る。彼は人間の知的活動の最高目的を,科学と哲学と宗教を総合することに求め,神を忘れた人間崇拝(西欧世界の特徴)と人間を忘れた神崇拝(東方世界の特徴)とを統一して,神人という全一的知識に高めようとした。そこから,ローマ教皇と専制ロシアの指導による東西教会の合一を目ざすことになり,最終的にはキリスト教による世界的神政を夢見たが,晩年それに失望した。おもな作品に《神人論講義》(1877-81),《神政の歴史と未来》(1887),《善の意味づけ》(1897),《三つの会話》(1900)などがある。その哲学は,N.A.ベルジャーエフ,S.N.ブルガーコフや象徴派の詩人たちに大きな影響を与えた。
執筆者:高野 雅之
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… 少なくとも18世紀の後半に至るまで,ロシア人の生活の大部分が森林地帯で営まれたところから,森はロシア人の民族的性格に甚大な影響を及ぼしたと考えられている。例えば19世紀の歴史家のS.M.ソロビヨフによれば,ヨーロッパは二つの部分,すなわち西方の石の部分と東方の木の部分からなっている。ロシアの貴族が石の城を構えて封建領主として割拠することなく,強大な君主のまわりで従士団を形成するにとどまったことも,また民衆が石の壁をもつ都市をつくらず,しばしば移動して安価な材料で手軽に住居を建て四方に分散する傾向をもったことも,ソロビヨフはロシアの自然的条件から説明している。…
※「ソロビヨフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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