ソフト・ロー(読み)ソフトロー

百科事典マイペディア 「ソフト・ロー」の意味・わかりやすい解説

ソフト・ロー

主として国際法上の概念で,拘束力が緩やかな法,ないし実質的に何らかの法的拘束力のうかがえる非法的規範のこと。生成中の国際法ともいえる。典型的には〈努力義務規定や〈紳士協定〉など。特に国家の憲章類や国連決議文書国際会議の最終宣言などが問題となる。例えば〈世界人権宣言〉は現在ではソフト・ローとして認められているとされる。また地球サミットで採択された〈リオ宣言〉についてのように,国際環境法分野でこの概念が用いられることが多い。国際法の規範体系を脆弱化するものだという批判もある。
→関連項目国際法

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソフト・ロー」の意味・わかりやすい解説

ソフト・ロー
ソフトロー
soft law

非拘束的合意事実上の合意,行動指針法,即席習慣法ともいう。国連総会決議,国際裁判所判決など,条約国際慣習法のように形式的法源とはいえないまでも国家間合意の存在する証拠となるものであり,一般的法的拘束力はないが形式的法源への生成の可能性を秘めているもの。形式的法源の形成に困難が伴うことの多い今日,それに代る存在として発展途上国を中心にその法的拘束力を積極的に認めようとする動きもみられる。しかし一方で,このような流動性の強い存在を法源として受入れることに対しては批判も根強い

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