ソビエト社会主義共和国連邦(読み)ソビエトしゃかいしゅぎきょうわこくれんぽう(英語表記)Soyuz Sovetskikh Sotsialisticheskikh Respublik; Union of Soviet Socialist Republics

精選版 日本国語大辞典 の解説

ソビエト‐しゃかいしゅぎきょうわこくれんぽう ‥シャクヮイシュギキョウワコクレンパウ【ソビエト社会主義共和国連邦】

(Sojuz Sovjetskih Socialističjeskih Rjespublik の訳語) ユーラシア大陸の北部、東ヨーロッパ、中央アジアなどにまたがり、世界の陸地の約六分の一を占めた社会主義共和国の連邦国家。十月革命後の一九二三年に、ロシア連邦、ウクライナ、白ロシア、ウズベクカザフグルジアアゼルバイジャンモルダビアリトアニアキルギスラトビアタジクアルメニアトルクメンエストニアの一五の共和国から成る多民族国家として成立。首都モスクワ。経済は生産手段の社会的所有に基礎をおいた国家の一元的統制による計画経済で、数次の五か年計画で工業が発達、農業はコルホーズ・ソフホーズを単位に集団労働が行なわれた。九一年崩壊後は、バルト三国とグルジアを除いて独立国家共同体を形成。ソビエト社会主義共和国同盟。ソビエト連邦。ソビエト。ソ連邦ソ連。ソ。USSR。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 の解説

ソビエト‐しゃかいしゅぎきょうわこくれんぽう〔‐シヤクワイシユギキヨウワコクレンパウ〕【ソビエト社会主義共和国連邦】

ユーラシア大陸北部を占めた世界最初の社会主義国。1917年の二月革命で帝政ロシアが倒れたあと十月革命によって建国。1922年に複数の共和国からなる多民族国家として成立し、1991年解体。首都モスクワ計画経済により、豊富な地下資源の開発と工業生産が大規模に発展、農業もコルホーズソフホーズで大規模に行われた。ソビエト連邦。ソ連邦。ソ連。USSR(Union of Soviet Socialist Republics)。
[補説]ソ連解体時に独立した国は、アゼルバイジャンアルメニアウクライナウズベキスタンエストニアカザフスタンキルギス・グルジア(ジョージア)・タジキスタントルクメニスタンベラルーシモルドバラトビアリトアニアロシアの15か国。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ソビエト社会主義共和国連邦
ソビエトしゃかいしゅぎきょうわこくれんぽう
Soyuz Sovetskikh Sotsialisticheskikh Respublik; Union of Soviet Socialist Republics

1922~91年にユーラシア北部に存在した世界最初の社会主義国。略称はロシア文字で CCCP,英語で USSR,日本ではソ連,ソ連邦,ソビエトなど。15のソビエト社会主義共和国(アゼルバイジャンアルメニアウクライナウズベキスタンエストニアカザフスタン,キルギジア〈→キルギス〉,グルジア〈→ジョージア〉,タジキスタントルクメニスタン,白ロシア〈→ベラルーシ〉,モルダビア〈→モルドバ〉,ラトビアリトアニアロシア)で構成された。首都はモスクワ。100以上の民族が暮らす多様性豊かな国だったが東スラブ人が人口の過半数を占め,1980年代末には総人口の 3分の2以上に達した。領土が最も拡大した 1946~91年の総面積は約 2240万km2。ヨーロッパの東半分とアジアの北側 3分の1ほどを国土とし,地球の陸地面積の 6分の1近くを占めた。東西には長さ 1万900kmに及び,世界の標準時間帯 24のうち 11時間帯が含まれた。最西端はバルト海に面したカリーニングラード近郊,最東端はベーリング海峡を望むデジニョフ岬。南北の長さはチェリュスキン岬からアフガニスタン国境地帯のクシカまで約 4500kmに達した。海岸線,国境線ともに世界最長で,海岸線は北は北極海から東は太平洋に達し,国境線は南は朝鮮民主主義人民共和国,モンゴル,中国,アフガニスタン,イラン,トルコと,西はルーマニアハンガリーチェコスロバキア,ポーランド,フィンランド,ノルウェーと接した。
前身はロシア帝国で,1917年のロシア革命を経て元の帝国領土内にロシア連邦,ザカフカジエ連邦(→ザカフカジエ),ウクライナ,白ロシアの四つの社会主義共和国が樹立された。憲法制定権をもつこれらの共和国は 1922年12月30日にソ連を結成。後年いくつもの社会主義共和国が成立し,1956年には連邦構成国数は 15になった。1990年の時点でソ連には 20自治共和国,8自治州,10自治管区,6地方,114州が存在した。広大な国土,豊かな天然資源を利用し 1950年代までに世界の最先進工業国になった。1980年代後半に行なわれたペレストロイカグラスノスチに代表される改革は,結果的に連邦構成国の主権宣言や独立宣言を招き,1991年12月ソ連は崩壊した。独立国家共同体がその地位を引き継いだが,国際法や外交にかかわる諸問題ではロシアが代表するかたちとなった。(→ソ連共産党ソ連の政治制度ロシア史

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android