ソバ(蕎麦)(読み)ソバ(英語表記)Fagopyrum esculentum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソバ(蕎麦)」の意味・わかりやすい解説

ソバ(蕎麦)
ソバ
Fagopyrum esculentum

タデ科一年草で,中央アジア原産。高さ 50~80cmで茎は中空の円柱形,紅色を帯びることが多い。葉は互生し,三角形状で基部は心臓形。茎の上部につく葉には柄がない。夏から秋に,枝先に短い花穂を出し白色の小花を多数密につける。花序には1列に毛があり,個々の花は5枚の萼片をもつ。果実には3本の稜があり,やや翼状に発達して独特の形をとる。緑色またはやや赤みを帯びているが,収穫して乾燥すると黒褐色になる。外皮を除いた中身を製粉してそば粉とし,翼のある外皮はそば殻として詰め物や枕に入れる。種子は乾燥地でもよく発芽し,生育期間が短く,肥料をあまり必要としないため,開墾地,傾斜地,不良土にもよく育つ。そのため救荒作物として使われている。世界の生産地域は中国,旧ソ連地区,アフリカ,カナダ,南アメリカと多く,日本では北海道,鹿児島が主産地となっている。そば粉は古くから知られ,そばがきなどとして食された。良質の蛋白質 (約 13%) ,ビタミンB類が多く,水とこねても小麦粉のように粘弾力を生じない。そのため,小麦粉,ナガイモ鶏卵などをつなぎにして,そば (そば切り) をつくる。そばのうち,そば粉は 70~75%程度であるが,更科 (さらしな) そばの系統のものは歩どまりが低く,色が白い。また藪 (やぶ) そばの系統のものは歩どまりが高く色が黒い

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