ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソネット」の意味・わかりやすい解説
ソネット
sonnet
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14行からなる代表的定型詩。13世紀イタリア民謡が原形で、その美しいメロディーによって恋歌に頻用され、とくにペトラルカ、ダンテらにより完成をみてから、ルネサンス期ヨーロッパ一円に流行。構成は4行、4行のオクターブ、3行、3行のセステットで、あわせて14行。1行は、イタリアで11音節、フランスで12音節、イギリスで10音節からなり、脚韻はペトラルカ方式では、abbaと厳しい制約がある。内容的には、一つの詩想を歌い上げ起承転結の節目正しい一つのまとまりにつくりあげる。その構成は、まず主題が出され、次に展開があり、一転して新しい詩想が導入され、エピグラム風の力ある帰結を迎える。恋愛詩が多く、数十の連作となることもある。
ペトラルカの『カンツォニエーレ』がもっとも優美な作として知られ、フランスのロンサール、ドイツのシュレーゲルらも秀作を残している。イギリスには16世紀初期に導入され、シェークスピアによってイギリス風韻律ababがくふうされ、ミルトン、ワーズワース、キーツ、ブラウニング夫人ら後継詩人の作も多い。日本でも蒲原有明(かんばらありあけ)、上田敏(びん)らによる実験的試作があるが、日本語の押韻のない言語的性格から、ソネットはあまり発展をみていない。
[船戸英夫]
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…また,華麗な文体で書かれたジョン・リリーの恋愛物語《ユーフュイーズ》やフィリップ・シドニーの牧歌的ロマンス《アーケイディア》はイギリス最初の小説として,1611年に公刊された《欽定訳聖書》とともに,文学史上特記さるべき地位を保っている。詩の分野では,絵画的描写と音楽美にあふれたエドマンド・スペンサーの長大な寓意叙事詩《神仙女王》が名高いが,ソネットをはじめとするさまざまな詩形の短い抒情詩も流行した。17世紀にはいると,当時の新旧思想の対立を背景に知的奇想と逆説的機智を特徴とするいわゆる〈形而上詩〉が盛んになり,それを代表するジョン・ダンの詩は20世紀初頭の近代詩運動に大きな影響を及ぼした。…
…作品の主題は主として〈宮廷風恋愛〉であり,高貴な婦人への思いが歌われたが,愛の性質・様態をめぐる観念的・自然科学的詮索が好んで行われた。詩型としてはカンツォーネが多く,またそれと並んでソネットが用いられ始めたのが注目される。同派の作品は知的技法に基づき,主題的・文体的にきわめて様式化されている点が特徴である。…
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