セーレム(英語表記)Salem

翻訳|Salem

精選版 日本国語大辞典 「セーレム」の意味・読み・例文・類語

セーレム

(Salem)
[一] アメリカ合衆国、マサチューセッツ州北東部の港湾都市。一七世紀からの古い港で、独立戦争や一八世紀の東洋貿易根拠地となった。
[二] アメリカ合衆国、オレゴン州州都。一八二四年メソジストのミッションによって建設された。農産物集散地食品加工製紙製材などの工業がさかん。
[三] ⇒サレム

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改訂新版 世界大百科事典 「セーレム」の意味・わかりやすい解説

セーレム
Salem

アメリカ合衆国オレゴン州北西部にある同州の州都。人口14万8751(2005)。肥沃な農業地帯として知られるウィラメット・バレーのほぼ中央部に位置し,果物・野菜などの農産加工食肉加工,製紙,木製品などの工業が発達する。1840年メソディスト派宣教師がインディアン教化のためにウィラメット川に臨んで定着した。彼らの宗派学校オレゴン・インスティチュートはウィラメット大学として今日にいたり,太平洋岸北西部地域最古の大学として知られる。1864年州都となったが,おもな発展は20世紀に入ってからである。市名は〈安息の場所〉を意味するインディアン語が,〈平和〉を意味する聖書上の地名Salemに翻訳されてつけられたもの。
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セーレム
Salem

アメリカ合衆国マサチューセッツ州北東部の小都市。人口3万8000(1990)。1626年集落が建設され,19世紀半ばまでは港湾都市として発展した。現在はエレクトロニクス繊維工業がおもな産業で,南西約26kmにあるボストン住宅衛星都市でもある。1630年当時を再現した〈開拓村〉,作家ホーソーンの生家,海運隆盛期のニューイングランドをしのばせる波止場,税関などの建物がある〈セーレム海事国立歴史地区〉など史跡が多い。また1692年に魔女裁判が行われたところとしても知られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セーレム」の意味・わかりやすい解説

セーレム
Salem

アメリカ合衆国,マサチューセッツ州北東部にある都市。ボストンの北東約 25km,マサチューセッツ湾に面する。1626年に建設され,1629年最初の会衆派教会が設立された。1692年に 19人の女性を処刑した魔女狩りが行なわれた地として知られる。18世紀後期から 19世紀初期に貿易が盛んとなり海港として繁栄したが,船舶の大型化に伴いボストンやニューヨークにその地位を奪われた。工業の発展に努め,電子部品,皮製品などを産する。『緋文字』で知られる作家ナサニエル・ホーソーンの生地で,ガーディナー=ピングリー・ハウス(1804)に代表される貿易全盛時代を反映した建物が残っている。魔女博物館,エドワード・シルベスター・モースが晩年に館長を務め,その日本コレクションを収蔵するピーボディ・エセックス博物館,セーレム州立大学 (1854創立) などがある。人口 4万407 (2000) 。

セーレム
Salem

アメリカ合衆国,オレゴン州の州都。州の北西部,カスケード山脈と海岸山脈にはさまれ,ウィラメット川の岸に位置する。 1840年メソジスト派の宣教師団が建設。イチゴ,豆類が栽培され,缶詰工場,冷凍食品工場が多く,製材,金属工業も行われる。ウィラメット川の河港で,河川交通の中心地であったが,70年に鉄道が開通して一層発展した。現在は鉄道,高速道路の中継地。ウィラメット大学 (前身は 1842年創設のオレゴン専門学校) ,州行政機関の建造物,美術館などがある。人口 15万4637(2010)。

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