セン(閃)緑岩(読み)せんりょくがん

改訂新版 世界大百科事典 「セン(閃)緑岩」の意味・わかりやすい解説

セン(閃)緑岩 (せんりょくがん)
diorite

深成火成岩の一種火山岩安山岩に相当する深成岩で,シリカSiO255~60%,おもに斜長石と角セン石,少量の輝石,黒雲母石英などを含む完晶質岩。花コウ岩地帯には石英を含む石英セン緑岩が多量に産出することがあり,南北アメリカ大陸西海岸の花コウ岩質バソリスではその西側1/4が石英セン緑岩で占められ,東方へいくにつれ,つねにフェルシックとなる。この石英セン緑岩分布域の東端は石英セン緑岩線と呼ばれる。石英セン緑岩は東アジアのバソリス帯ではごく少量で,ここでは石英セン緑岩線は存在せず,アメリカ大陸と著しい相違を示す。日本では北上山地西部に石英セン緑岩線がひけるが,西南日本のバソリスでは存在せず東アジア的な様相を呈する。
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百科事典マイペディア 「セン(閃)緑岩」の意味・わかりやすい解説

セン(閃)緑岩【せんりょくがん】

深成岩の一種。灰ソウ長石〜中性長石,角セン石,黒雲母を主とする粗粒完晶質岩石。石英が10%以上入ると石英セン緑岩に,正長石が加わると花コウセン緑岩に移化する。

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