化学辞典 第2版 「セントラルドグマ」の解説
セントラルドグマ
セントラルドグマ
central dogma
遺伝情報はその担い手であるDNAから直接タンパク質へ移されるのではなく,一度メッセンジャーRNAに移され,それに従ってタンパク質のアミノ酸配列が決まり,形質発現がなされる.すなわち,次の図式で示され,これをセントラルドグマとよぶ(中心命題とも訳される).
この図式の矢印は遺伝情報の伝達方向をさしている.DNAからDNAへの矢印は,DNAがDNA自身を鋳型とする自己複製を意味する(DNAの複製).DNAからRNAへの矢印は,DNAを鋳型として相補的塩基配列をもつRNAが,RNAポリメラーゼによって合成される(転写)ことを意味する.転写のこの矢印は,RNA依存DNA合成酵素(逆転写酵素)の発見によって逆になる場合もあることが示された(点線).
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報