セントエルモの火(読み)セントエルモノヒ(英語表記)St. Elmo's fire

デジタル大辞泉 「セントエルモの火」の意味・読み・例文・類語

セントエルモ‐の‐ひ【セントエルモの火】

雷雨の夜などに、船のマスト教会尖塔せんとう、山の頂の先端などに現れる薄青い炎状の光。凶兆として船乗りに恐れられた。セントエルモ(St.Elmo)は船員守護聖人の名。→先端放電

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精選版 日本国語大辞典 「セントエルモの火」の意味・読み・例文・類語

セントエルモ‐の‐ひ【セントエルモの火】

連語〙 (セントエルモはSaint Elmo 船員の守護聖人の名) 雷のはげしいときなど物の尖端部にみられる放電現象。夜、くらいときには尖端部から、空中に向かっている弱い電光としてみられる。尖塔、船のマストの端、山岳観測所の風力塔などに現われやすい。

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改訂新版 世界大百科事典 「セントエルモの火」の意味・わかりやすい解説

セント・エルモの火 (セントエルモのひ)
Saint Elmo's fire

雷雨やあらしの夜に,船のマスト,教会の塔などの先端に現れる青紫色の炎状の光。急峻な山の頂上でことによく現れる。昔,地中海の船人が船のマストに現れるのを見て,セント・エルモ(船乗りの守護聖人エラスムスSt.Erasmusのなまったもの)の加護のしるしだと考え,こう名付けた。頭上の強く帯電した厚い雲(対流雲)や雷雲の影響で,地表大気電界(距離に対する電位差の比)が大きくなったときに現れる一種の放電現象である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セントエルモの火」の意味・わかりやすい解説

セントエルモの火
セントエルモのひ
St. Elmo's fire

船のマストや教会の塔など,とがった物体の先端でかすかに燃えるように見える青紫色の光。ことに山岳地帯でよく現れる。地中海で船のマストに現れたのを見て,聖なるエルモの火と呼んだことに由来する。エルモは船乗りの守護神エラスムスのなまったものである。尖端放電の1種。昼間は火が見えないで音だけが聞えることもある。

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