改訂新版 世界大百科事典 「セン(閃)ウラン鉱」の意味・わかりやすい解説
セン(閃)ウラン鉱 (せんウランこう)
uraninite
最も基本的なウラン鉱物の一つ。理想化学組成UO2。通常はさらに酸化が進んでいる。ウラン自身の放射壊変の産物である少量のラジウム,鉛,ヘリウムなどを含み,強い放射能を持つ。副成分としてトリウム,セリウム,イットリウムなどを含むこともある。色は黒,黒褐,緑黒,鋼灰など。立方晶系で,正六面体,正八面体の自形結晶を作るが,普通は不定形で,塊状,粒状,すす状を呈することが多い。割れ口は不規則または貝殻状。亜金属~樹脂状光沢。モース硬度5.5~6。実測比重は7.5~9.7と大きく,比重選鉱も可能。大半の型のウラン鉱床でその非酸化帯に初生鉱物として産出し,資源的にも重要。ピッチブレンドは変種。
執筆者:坂巻 幸雄
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