セムシ(読み)せむし

日本歴史地名大系 「セムシ」の解説

セムシ
せむし

アイヌ語に由来する地名。コタン名のほか、岬名・峠名などとしてもみえる。「セムシ」と記す例が多い(「蝦夷日誌」二編、「観国録」)。「蝦夷巡覧筆記」に「セムシアシベツ 此所ヨリチセトマリ迄岩ヒラ切立ニテ浪高キ時通行成難シ」とある。山口顕之進「ソウヤヨリ箱館マテ東部里程記」は「セモシ、漁小屋壱軒、蝦夷家、此処よりは又海岸の山木立無之、道筋同様小砂利并砂深く難所也」と記す。

セムシ
せむし

アイヌ語に由来する地名。天保郷帳に「ルヽモッペ持場」のうちとして「セムシ」がみえる。享保十二年所附に「せむしゆひ」とあるほか、セモシとも記され(板本「西蝦夷日誌」)、「西蝦夷地名考」では「本名セモシユツなり。セモシユツとは往詰りの下をいふ也。当所野岸にて舛形の如く出崎有」という。「駅路抵記」に「夷家三四軒」とある。「廻浦日記」に「番屋一棟梁二間、桁六間、夷屋一棟有。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内のセムシの言及

【イワムシ】より

…多毛綱イソメ科の環形動物(イラスト)。アカムシ,エムシ,イソベ,ドロムシ,セムシ,ホンムシ,イワイソメ,ヒラムシなど20ほどの別名がある。日本各地に分布し,潮間帯の岩の隙間にすむところからこの名がつけられたが,干潟のような砂泥中にすむものもある。…

※「セムシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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