ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セネカ(大)」の意味・わかりやすい解説
セネカ(大)
セネカ[だい]
Seneca, Lucius Annaeus
[没]後39頃
ローマの修辞学者。小セネカの父,ルカヌスの祖父。幼少の頃ローマに出て教育を受けた。息子たちに弁論術の訓練をするために編んだ『論争問題集』 Controversiaeと『説得法』 Suasoriaeは,のちに広く愛用される教科書となった。前者は討論形式の法廷演説練習で,架空の刑事あるいは民事訴訟の問題を扱い,後者は議会演説の練習で独演の形式をとっている。各巻の序文は彼が生涯にわたって聞いたいろいろな演説家を,その演説の引用,逸話,余談などを交えて論じ,非凡な記憶力を示している。内乱勃発以後の歴史も書いたが失われた。
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