セップ

精選版 日本国語大辞典

セップ

〘名〙 (ship の変化した語か) 西洋式帆船の一種。三本以上の檣(しょう)（=ほばしら）をもつ大型帆船で、各檣に数本ずつの帆桁を備えて多数の横帆を張り、船首の斜檣および各檣間には三角帆をかけ、さらに後檣の後部には縦帆をかけるという、横帆を主とした帆装のもの。

※時規物語（1850）一「ケッカル〈人名〉〈略〉のセップ〈三本檣の船をいふ〉にてゼンロッパ〈船の名〉と唱へ申候」

出典　精選版 日本国語大辞典

日本歴史地名大系

セップ
せつぷ

• 北海道：日高支庁
• 新冠町
• セップ

漢字表記地名「節婦」のもとになったアイヌ語に由来する地名。コタン名のほか河川名としても記録されている。当地一帯は近代に入り高江（たかえ）村に包含された。仮名表記は「セツプ」（協和私役）、「セツフ」（木村「蝦夷日記」、「東行漫筆」「観国録」など）のほか、「セプ」（東蝦夷地道中記）、「セツフウ」（谷「蝦夷紀行」）などもある。漢字表記は「節婦」「節府」（野作東部日記）がみられる。「東蝦夷地場所大概書」の「新勝府場所」の海浜地名には「ホロセツフ　カキヌシマより拾丁」と「ホンセツフ　ホロセツフより弐拾丁」の二つの地名がみえるので、「セツフ」はそれらの惣名であったと考えられる。谷「蝦夷紀行」には「川に随ひてアツベツへ出、左り山に随ふて海辺通り、上セツプウに出。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」