セスジアカムネグモ(読み)せすじあかむねぐも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セスジアカムネグモ」の意味・わかりやすい解説

セスジアカムネグモ
せすじあかむねぐも / 背条赤胸蜘蛛
[学] Ummeliata insecticeps

節足動物門クモ形綱真正クモ目サラグモ科に属するクモ。体長3ミリメートルぐらいで、頭胸部は赤褐色、腹部灰色で中央に淡色縦条(たてすじ)がある。雄の眼域の後方に、前方に向かった三角形の突起がある。水田草間地表に小さいシート網を張るが、むしろ徘徊(はいかい)性的な行動をとり、イネの株間などにいてイネの害虫であるウンカヨコバイを盛んに捕食するので、天敵として重要視されている。1年に何世代か繰り返す。日本全土に広く分布する。本種に似たニセアカムネグモGnathonarium exiccatusも、水田で生活し、害虫を捕食する。

[八木沼健夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セスジアカムネグモ」の意味・わかりやすい解説

セスジアカムネグモ
Ummeliata insecticeps

クモ綱クモ目サラグモ科。雌雄とも体長2~3mm。体は淡黄褐色ないし黒褐色で腹部上面に明るい縦条がある。地表に小さいシート網を張り,ツマグロヨコバイ幼虫アブラムシなどの小昆虫を捕食する。成長が速く,1年に数世代を重ねる。雌は体より大きな円盤形の卵嚢を石の下や落ち葉に付着させる。水田に特に多く,害虫の天敵となっている。北海道から九州に分布する。微小な近似種が多く,種の同定は専門家でないとむずかしい。 (→サラグモ )

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