日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
セシル(Lord Edward Christian David Gascoyn Cecil)
せしる
Lord Edward Christian David Gascoyn Cecil
(1902―1986)
イギリスの学者、批評家。名門貴族の家に生まれる。オックスフォード大学卒業後、母校教授となる。学究的な緻密(ちみつ)さ、温雅で繊細な感受性と美しい文体をもつ、最良の意味における伝統的な批評家。ウィリアム・クーパーの評伝『傷ついた鹿(しか)』(1929)をはじめ『マックス』(ビアボーム伝、1964)などの評伝、『ビクトリア朝初期の小説家たち』(1934)、『ジェイン・オースティンの肖像』(1978)などの批評がある。1986年1月1日没。
[出淵 博]