セアラ州(読み)セアラ(英語表記)Ceará

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セアラ州」の意味・わかりやすい解説

セアラ〔州〕
セアラ
Ceará

ブラジル東部の州。州都フォルタレザ。北は大西洋に面し,沿岸に砂質の海岸平野が広がるほかは,ブラジル高原の北東縁にあたる丘陵・高原地帯で,西と南の州境に沿って低い山脈が連なる。南部から東部にかけてはジャグアリベ川流域に属する。気温は年間を通して高く,年降水量は海岸地方の 1600mmから南部奥地の 400mmまで変化するが,いずれも 3~5月の 3ヵ月に集中して降るため,そのほかの月はきわめて乾燥し,河川は干上がり,年によっては厳しい干魃に見舞われる。このため植生に乏しく,内陸部には乾季に落葉するカーティンガと呼ばれる低木林に覆われた半砂漠状の地域が広がる。18世紀初期に黒人奴隷によるサトウキビプランテーションが開かれ,1884年奴隷解放をした最初の州となる。内陸部に導入された牧牛と 19世紀に始まった綿作が主産業で,特に綿花についてはブラジル有数の生産地となっている。そのほかサトウキビ,カシューノキ,キャッサバ,ブラジルロウヤシ,果樹などが栽培される。牧牛も北東部諸州中有数。大西洋岸の港湾都市である州都と南アメリカ最東岸のレシフェを結ぶ鉄道が州東部を通るほか,道路網も州都を中心に比較的よく発達している。面積 14万8826km2。人口 821万7085(2006推計)。

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