日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スベルドラップ(Otto Neumann Sverdrup)
すべるどらっぷ
Otto Neumann Sverdrup
(1854―1930)
ノルウェーの北極探検家。ノルウェーのビンダルに生まれる。1888年グリーンランド探検、1893~1896年北極探検をナンセンとともに行い、フラム号の船長となって有名な北極海の氷海漂流を敢行した。1898年自ら探検隊を率いてグリーンランド北部を探検、エルズミア島南部が大氷河地帯であることを発見した。1899~1902年の探検では、エルズミア島の南東岸でジョーンズ海峡の北に、同島に食い込む幅約160キロメートルの大きな湾を発見した。またパリー諸島の北約200キロメートルのところに二つの島(スベルドラップ諸島)を発見、同地方の正確な地図を作成したのは大きな成果であった。1914~1915年と1920年、北極で消息を絶ったソ連(当時)の探検隊の捜索に、また1928年には北極探検で遭難したノビレの飛行船イタリア号の救援隊長となり活躍した。死の直前、カナダ連邦政府より、カナダ領北極圏における地理学上の諸発見の功に対し、6万7000ドルの賞金が贈られた。主著に『New Land, Four Years in the Arctic Regions』(1904)がある。
[半澤正男]