日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スフラワルディー(Shihāb al-Dīn Yayā al-Suhrawardī)
すふらわるでぃー
Shihāb al-Dīn Yayā al-Suhrawardī
(1155―1191)
イスラムの神秘哲学者。イランのスフラワルドに生まれる。鋭い知性により大胆に秘教的教説を説いたことが周囲の法学者たちの反感を買い、シリアのアレッポで投獄され獄中で没した。彼の教説はヘルメスに始まり、エジプト、ギリシア、イランの諸賢人に伝わった叡知(えいち)を再統合したものであるとされ、照明哲学(ヒクマト・イシュラーク)とよばれる。宇宙万物の構造を至高の光に基づく濃淡・強弱の光の階層としてとらえ、また独自の天使論を展開する。主著に『照明哲学』があり、モッラー・サドラーをはじめとし後世に大きな影響を与えた。
[鎌田 繁 2016年10月19日]
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