ストルテンベルグ(英語表記)Stoltenberg, Jens

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストルテンベルグ」の意味・わかりやすい解説

ストルテンベルグ
Stoltenberg, Jens

[生]1959.3.16. オスロ
ノルウェーの政治家。首相(在任 2000~01,2005~13),北大西洋条約機構 NATO事務総長(在任 2014~ )。父は外務大臣を務めたトールバル・ストルテンベルグ。オスロ大学で経済学の上級学位を取得。1979~81年日刊紙『アルバイデルブラデ』記者。1981年政界に転じてノルウェー労働党の情報担当秘書となり,1985~89年労働党青年連盟委員長,1990~92年労働党オスロ支部長を務めた。1993年国会(ストルティング)議員となり,グロ・ハーレムブルントラント首相とトールビョルン・ヤーグラン首相のもと,1993~96年貿易エネルギー大臣,1996~97年財務大臣を歴任。2000年3月首相に就任し,民営化などの改革を断行したが,少数与党政権として国民の支持を保つことに腐心した。2001年の選挙で労働党は惨敗を喫し,首相の座をキリスト教民主党のヒェル・マグネ・ボンデビックに譲った。2005年の選挙には労働党,左派社会党,中央党で形成する中道左派の「赤緑連合」を率いて辛勝。2期目の政権では低失業率を維持しつつ社会福祉政策を拡充した。2009年の選挙でも連立与党が勝利し,ストルテンベルグは首相再選を果たした。2008年のリーマン・ショック後もノルウェー経済は繁栄を保ったが,2013年の議会選挙で赤緑連合は保守党率いる中道右派ブロックに破れ,首相を辞任。2014年3月に NATO事務総長に選出され,労働党党首を辞した。ロシアウクライナクルイム自治共和国を併合するという,NATOにとって冷戦終結後最大とみられる危機のなか,同 2014年10月に事務総長に就任した。

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