ストック(英語表記)(common)stock
gillyflower
Matthiola incana R.Br.

精選版 日本国語大辞典 「ストック」の意味・読み・例文・類語

ストック

〘名〙 (stock)
① (━する) 資本や商品、材料などを貯えておくこと。また、その在庫。一般に、日用品や食料などの貯えにもいう。
※商品取引の見方‐一般商品編(1925)〈川西正鑑〉「トタンのストック約二千トンは」
※街頭の風(1930)〈北村寿夫〉幸福の跫音「我々は何でも作りますよ。そして、ストックします」
② (━する) 資料、知識などをたくわえておくこと。また、その資料、知識など。
※銀座細見(1931)〈安藤更生〉九「彼の家へ行けば〈略〉銀座女給の目星しい連中の写真は全部揃って居るであらう。彼のストックは生きた女給史が出来る位だ」
③ 植物「あらせいとう」の英語名。
※藪の鶯(1888)〈三宅花圃〉八「ストックを三本計りと、肴は三通り計り見つくろって」
④ 株券。
東京日日新聞‐明治一一年(1878)九月一九日「是が即ち欧西に謂ゆるストック、エキスチェンジにて」

ストック

〘名〙 (Stock) スキーで用いる、二本ひと組のつえ。先端には、雪の中にめりこまないように輪がついている。登山、トレッキングで用いるつえにもいう。ポール
※唱歌・スキーの歌(文部省唱歌)(1932)〈林柳波〉「ストックかざして我は翔る」

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デジタル大辞泉 「ストック」の意味・読み・例文・類語

ストック(stock)

[名](スル)
在庫品。手持ちの品。「ストックが底をつく」
ためておくこと。蓄えておくこと。「食料品をストックする」
牛・鶏・魚の肉や骨、野菜などからとった煮出し汁スープソースの材料にする。
株券のこと。「レジャーストック
国富・資本など、ある一時点に存在する経済数量。→フロー2
アブラナ科多年草。高さ0.6~1メートル。長楕円形の葉が互生する。4~5月ごろ、白・桃・紅・紫色などの香りのある花を総状につける。地中海沿岸地方の原産で、観賞用。あらせいとう。 春》

ストック(〈ドイツ〉Stock)

スキーで用いるつえ。
[類語]ステッキ松葉杖つっかい棒ピッケル

ストック(Stok)

インド北部、ラダック連邦直轄領の村。レーの南約15キロメートル、インダス川沿いに位置する。1825年に建てられたラダック王国の旧王宮がある。現在、王族は居住せず、王族ゆかりの品々などを展示する博物館になっている。ストク。

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改訂新版 世界大百科事典 「ストック」の意味・わかりやすい解説

ストック
(common)stock
gillyflower
Matthiola incana R.Br.

冬の切花として日本の暖地やハウスで多く栽培されるアブラナ科の一年草。和名をアラセイトウという。原産地は地中海北岸地方で,現地では多年草となるが,一般には一年草として栽培される。一重咲きの若い果実が辛みをもっているので,明治のころに香辛野菜として導入されたが,欧米で改良がすすみ,高性大輪で花色も豊富な観賞用品種が数多く作出された。高性1本立の系統はハウスや温室の栽培に,地際で枝を分ける分枝種は暖地の露地栽培に用いられる。北ヨーロッパでは矮性(わいせい)で開花の早いテン・ウィーク系のものが鉢仕立てとされている。花は株によって一重咲きと八重咲きがあり,八重咲きは花弁が20枚前後で,おしべめしべがなくて種子がとれない。一重咲きは花弁が4枚で,自家受粉で結実する。観賞用には八重咲きに価値があるので,幼苗時代に一重か八重かを鑑別して植えつける。発芽の勢いがよく発育旺盛なもの,子葉の形の横径が大きいもの,本葉7~8枚のころ葉縁の欠刻が強く波打つものが八重咲きとなることがわかっている。種子は一重咲きからとれる。冬の切花のためには暖地では8月に種子をまくが,ふつうは10月上旬で,越冬中は凍らないように保護をする。一般にストックの花芽は15℃以下に約4週間遭遇することで分化し,その後は温暖な気温で開花が進む。この原理を応用して長野県下では,高冷地で早まきで育苗したものを低温にあわせ,その後ハウスで保温して10月末には切花として市場に出荷している。ストックの品種は年々改良され,新種の作出も多いが,年末に咲く早生種で大輪種,八重咲き率のよい赤,ピンクなどの品種が望まれている。しかし,ストックにあらわれる花色は青紫,紫,白,クリーム,あんず,ピンクなどがあり,かつては銅褐色の花色さえもあった。
執筆者:


ストック
stock

地球が太陽を1周する時間の1/12を1単位として時間を測っても,月が地球を1周する時間を1単位として時間を測っても,われわれの今保有する現金の量は変わらない。現金保有量のように,時間を測る単位の変更によってもその大きさが変わらない変数をストックと経済学では呼ぶ。したがってストックとは,会計学,簿記において〈残高〉と呼ぶ概念と同じであり,また物理学での位置に対応する概念である。ストックに属する概念は,マクロ的な変数では国富,貨幣供給量,外貨準備高等が代表的であり,ミクロ的な変数では各企業の負債残高,資本金,棚卸資産,固定資産等の貸借対照表の項目や,家計の保有する貨幣量,預金量が代表的なものである。なお,フローという概念がストックと対になっており,フローは時間の尺度のとり方で値が変わる変数をいう。
フロー
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストック」の意味・わかりやすい解説

ストック
Stock, Alfred

[生]1876.7.16. ダンチヒ(現グダニスク)
[没]1946.8.12. カルルスルーエ
ドイツの化学者。ベルリン大学で化学を学ぶ。卒業後同大学で研究を続けたのち (1900~09) ,ブレスラウ無機化学研究所所長 (09) ,ベルリンのカイザー・ウィルヘルム研究所所長 (16) ,カルルスルーエ化学研究所所長 (26) 。ドイツ化学会会長 (36~38) 。水素化ホウ素,水素化ケイ素類の先駆的研究,そのための超高真空分離法の開発で知られる。また各種研究・教育機関の組織化,拡張に尽力し,ドイツ化学,化学教育の発展に貢献した。

ストック

アラセイトウ」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「ストック」の意味・わかりやすい解説

ストック

アラセイトウとも。地中海沿岸原産のアブラナ科の草だが,栽培上は一〜二年草として扱われている。茎は葉とともに灰白色を帯び,高さ30〜75cm,総状花序をつける。本来は四弁花だが,重弁花の園芸品種が多く,芳香あり,花色は赤紫・淡紅・白・淡黄等。花序が分枝する系統や,鉢植に向く矮性(わいせい)系統の園芸品種もある。冬の切花用に暖地や温室で夏種子をまくが,春咲は秋まきとする。

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会計用語キーワード辞典 「ストック」の解説

ストック

一時点の残高反対に、一定期間に対する動きを示すのがフローである。

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世界大百科事典(旧版)内のストックの言及

【フロー】より

…フロー変数として代表的なものは,マクロ変数では国民所得,国民総生産,消費,投資,貯蓄等の国民所得勘定の項目,輸出,輸入,経常収支,資本収支等の国際収支表上の項目,ミクロ変数では売上高,費用,経常利益等の損益計算表上の項目,各個人の賃金,所得水準等である。なおフローという概念はストックstockという概念と対になっている。ストックとは時間を計る単位の変更によって値の変わらない変数をいう。…

※「ストック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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