ストックホルム会議(読み)ストックホルムかいぎ

百科事典マイペディア 「ストックホルム会議」の意味・わかりやすい解説

ストックホルム会議【ストックホルムかいぎ】

1972年6月,地球環境の破壊の進行に対して対策を協議した最初の国際会議。スウェーデン国連に対して,1960年代後半に激化した北欧酸性雨被害発生防止対策など,地球環境問題への対応について協議するための国際会議をストックホルムで開くよう提唱し,国連主催の会議開催が実現した。正式名称は〈国連人間環境会議〉。会議には世界各地から113ヵ国の政府代表,国連機関関係者など約1300人が参加,各国政府代表がそれぞれ直面している環境問題の実態と対応策などについて報告したあと,環境汚染問題をはじめ,人口,食糧資源クジラなど野生生物保護問題,南北問題など広範な分野の問題について討議が行われ,〈国連人間環境宣言〉を採択した。日本からは大石武一環境庁長官を首席代表とする政府代表団が出席,大石長官が水俣病四日市喘息などの激甚な公害が発生したことへの反省を率直に表明環境アセスメントを導入して環境破壊の未然防止に力を入れて取り組む決意を述べた。ストックホルム会議に合わせて開かれた市民集会には水俣病患者なども出席,〈公害先進国ニッポン〉を告発,世界に衝撃を与えた。ストックホルム会議の10周年を記念してナイロビで国連環境会議,20周年にリオ・デ・ジャネイロ国連環境開発会議地球サミット)が開催された。
→関連項目国際捕鯨委員会国連環境計画成長の限界

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ストックホルム会議」の解説

ストックホルム会議
ストックホルムかいぎ

地球環境問題

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のストックホルム会議の言及

【国連人間環境会議】より

…1972年6月5~16日までストックホルムで開催された人間環境問題に関する最初の本格的な国連会議。開催地にちなんで〈ストックホルム会議〉とも呼ばれる。1968年から4年にわたる精力的な準備を経て,114ヵ国の政府代表(日本の場合は大石環境庁長官)と多数の国際機関(世界銀行,OECD等)の参加を得,各国マスコミの注視の下に開催された。…

※「ストックホルム会議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android