スティルチェス(読み)すてぃるちぇす(英語表記)Stieltjes, Thomas Jan

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スティルチェス」の意味・わかりやすい解説

スティルチェス
すてぃるちぇす
Thomas Johannes Stieltjes
(1856―1894)

フランス数学者オランダに生まれ、のちにフランスに帰化。1886年にトゥールーズ大学教授となる。エルミートとの「数学上の文通」は4巻の書物となっている。彼の業績は、連分数についての研究と、今日スティルチェス積分とよばれる

(ただし、fは連続関数、vは増加関数
の形の積分を導入したことである。

吉田耕作

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スティルチェス」の意味・わかりやすい解説

スティルチェス
Stieltjes, Thomas Jan

[生]1856.12.29. ツボーレ
[没]1894.12.31. ツールーズ
オランダ生れのフランスの数学者。デルフトの工業大学卒業 (1877) 後,ライデンの天文台に勤務。フローニンゲン大学講師 (83) 。 1886年,ツールーズ大学教授となり,生涯その職にとどまる。常微分方程式偏微分方程式ガンマ関数楕円関数,補間法などについて論文を書いているが,彼の最初の論文 (84) も,最後の論文も連分数に関するもの。最後の論文『連分数の研究』は死の直前に書かれ,2部に分けて,94,95年に発表された。このなかでいわゆるスティルチェス積分概念が定式化されており,これが彼の不朽の業績となった。

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