スッツ場所(読み)すつつばしよ

日本歴史地名大系 「スッツ場所」の解説

スッツ場所
すつつばしよ

のちの寿都郡の一帯を中心に設定された場所。スッツ持場ともいう。その範囲は「東タテイシより西ハマナカ迄凡三り余」(「西蝦夷地日記」文化四年八月二四日条)、「シマコマキ場所境ヨリヲタノシケ迄ノ里数四里三丁二十五間程」であった(玉虫「入北記」安政四年閏五月一六日条)。「西蝦夷地場所地名等控」に惣名スツとしてマツナトマリ、弁慶崎べんけいさき、ミツナシ、サメトマリ、ヤヲイナカウタイワサキなどがみえ、天保郷帳では西蝦夷地蝦夷人居所之分の「スツヽ持場」のうちとしてイワサキがある。「地名考并里程記」によれば、「昔時、最初此所にて夷人交易をなせしが諸事不弁理なる故、其後今のイワサキに運上屋を移すといへとも、矢張りスッツを場所名目になすなり」という。支配所持名前帳(元禄一三年)に鈴木源兵衛の支配とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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