精選版 日本国語大辞典 「スターン」の意味・読み・例文・類語
スターン
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
イギリスの小説家。元来イングランド北部ヨークシャーの名門の出身だが,父親はしがない陸軍少尉で方々を転々とし,スターンはアイルランドで生まれる。祖父と叔父の援助でケンブリッジ大学に学び,卒業後ヨークの近くで聖職に就き,20年間ほぼ平穏に牧師を務める。その間ルネサンス以来の風刺的な文人ラブレー,セルバンテス,スウィフトらの書に親しんだ。1750年代後半,ヨークの教会の地位をめぐる権力争いが生じ,それを風刺するため《政治物語》(1759)を執筆。これによって地方的な名声とともに文筆への自信を得て,46歳の彼は次いで《トリストラム・シャンディ》(1759)の1,2巻を出版することになる。最初ヨークで自費出版されたこの筋のない奇妙な小説は直ちに有名になり,ロンドンで出版されるに至った。これを契機にD.ギャリックをはじめ多くの有名人とも知り合った。以後《トリストラム・シャンディ》は61年末までに6巻まで出版されたが,その後は病気治療などのため一時執筆は中絶した。やがてフランス,イタリアでの大陸旅行記を盛り込み,7,8巻が65年に,また最終巻も67年1月に出版され,この奇書も一応完結を見た。その間《ヨリック説教集》(1760-66)を世に出している。また《トリストラム・シャンディ》7巻によって示された大陸旅行記の好評に勢いを得て旅行記《センチメンタル・ジャーニー》(1768)を出版,センチメンタルなる語を流行させた。67年ロンドン滞在中,人妻エリザベス・ドレーパーとの恋の遊びにふけり,その感情の記録を残した。スターンの作品は,小説における〈筋の欠落〉,〈脱線〉の重要性,〈意識の流れ〉との関連で,今日評価されている。
執筆者:榎本 太
ソ連邦ウクライナ生れのアメリカのバイオリン奏者。生後ほどなく家族と渡米,サンフランシスコでアウアー門下のN.ブラインダー,イザイエ門下のL.パーシンガーに師事。15歳のときモントゥー指揮のサンフランシスコ交響楽団と共演して注目され,17歳でニューヨークで最初のリサイタルを開いて絶賛された。第2次世界大戦後は,アメリカを代表するバイオリニストとして世界各地で精力的な活動を行い,日本にも1953年以来しばしば来日,多くのファンをもっている。ロシア派に属するスターンは,よく磨かれた音色美と卓越した技巧を誇っており,レパートリーもきわめて広い。1737年製のグアルネリを愛用する。60年にピアノのE.イストミン,チェロのL.ローズと結成したピアノ・トリオも有名。
執筆者:岩井 宏之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…だが,これらは結局イギリスの土には根づかず,ヨーロッパ大陸やアメリカで,よりすぐれた実りをもたらすこととなった。
[歴史]
バニアン,デフォーから始まったイギリスの〈ノベル〉の伝統は,その後18世紀にS.リチャードソン,H.フィールディング,L.スターン,スモレットの4巨匠を生み出した。18世紀は一般に〈理性の時代〉と呼ばれ,詩ですら感性よりは知性,論理に訴えかけようとした時代であるから,散文芸術である小説が質量ともにすぐれた作品を生み出したのも当然と思われる。…
…18世紀の啓蒙主義に対抗して現れたルソーの立場はその典型的な例であり,悟性偏重に反抗する19世紀のドイツ・ロマン主義の活動や,実証主義の時代を経て19世紀末から20世紀にかけて現れた〈生の哲学〉に流れる基調もこれに含められる。【細井 雄介】 そもそも〈センチメンタル〉なる英語がひろく用いられるようになるきっかけは,18世紀のイギリスの作家L.スターンの《センチメンタル・ジャーニー》(1768)であった。それまでに流布していた旅行記と異なり,自然の風物や都市の景観には目もくれず,もっぱら人心のあわれ(センチメント)を描くことを主眼にしたこの作品は,18世紀前半を支配した新古典主義(ネオ・クラシシズム)の主知主義からぬけ出る姿勢を示していた。…
…イギリスの小説家L.スターンの小説。1759‐67年刊。…
※「スターン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新