日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スタッブズ(George Stubbs)
すたっぶず
George Stubbs
(1724―1806)
イギリスの画家。リバプール生まれ。初め肖像画で身をたてながら解剖学を研究。1756~58年リンカーンシャーで馬の解剖に専念し、この経験をもとに『馬の解剖学』(1766刊)が書かれた。60年ごろロンドンに移り住むと、盛んに競走馬や狩猟図を描き、たちまち動物画家として人気を博した。解剖学に裏づけられた正確な描写と、柔和でこくのある色彩による詩情豊かな作品は、彼を単なる「馬の画家」にとどまらぬ18世紀最高の画家の1人にしている。また、ライオンに襲われる馬を描いた一連の作品は、後のロマン派画家たちのテーマを先取りしたものである。
[谷田博行]