スクーナー船(読み)すくーなーせん

世界大百科事典(旧版)内のスクーナー船の言及

【水運】より

…1840年イギリスの〈イギリス・北アメリカ郵便輸送特許汽船会社British and North American Royal Mail Steam Packet Company〉(現,キュナード汽船)が大西洋横断定期便を,42年〈P&O汽船〉が地中海・スエズ地峡経由でインドのカルカッタへ汽船を就航させた。しかし初期の汽船の推進機関は出力が弱く,燃料炭の費用も高くついたので,19世紀中葉アメリカ,イギリスで帆船は技術的に最高の発展をとげ,スクーナー船やクリッパー型の大型快速帆船が盛んに使用され,帆船から汽船への移行は緩やかに進行した。P&O汽船はスエズ運河開通の1869年から汽船によるアジア航路を開設し,大西洋横断航路も1860年代にはしだいに帆船から汽船に変わり,19世紀末に至って帆船はほぼその役割を終えることになる。…

【帆船】より

…帆に風を受けて走る船。6000年をこえる船の歴史を通じて帆船はその中心的存在であったし,19世紀後半の急成長する工業と世界貿易を支えた動脈も近代的な大型商業帆船であった。この時期は旅客と郵便物,生鮮食料などの輸送を中心に汽船の優位が確立されてきた時代に当たるが,それでも1886年の全世界の汽船船腹約1000万総トンに対し帆船は1200万総トン(いずれも100トン以上の船のみ。ロイド船級協会統計による)にのぼり,貨物輸送の主力は帆船であったことがわかる。…

【舟∥船】より

…人や物を乗せて水上を渡る乗物。これが一般的な定義であるが,現在では水面下を行動する潜水船や,空気圧によって水面上を浮上して走行するエアクッション船もあり,これらも広く船に含めている。慣例では,大型のものには〈船〉,ごく小さいものには〈舟〉を用いるのがふつうである。なお,法規上は〈船舶〉という語が使われる。
【船の歴史】
 ごく初期の舟には,大別して三つの構造様式がある。それは(1)丸木舟,(2)いかだ,(3)動物の革(皮)の舟である。…

※「スクーナー船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」