スクルーティニー(英語表記)Scrutiny

改訂新版 世界大百科事典 「スクルーティニー」の意味・わかりやすい解説

スクルーティニー
Scrutiny

イギリスの文学批評季刊雑誌。1932年,F.R.リービス夫人のQ.D.リービス,L.C.ナイトらを編集者としてケンブリッジ大学を中心に創刊。精密・厳格な批評的基準を求め,文学批評という行為を通じて,一国の文化を高めようという使命感から出発した。時に独善的で,偏狭に陥る弊はあったが,テキスト精読を通じて,作品の核心に迫り,技法とモラルとの均衡を称揚する一貫した姿勢は,イギリスの批評の水準を向上させるのに貢献した。53年に廃刊
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスクルーティニーの言及

【リービス】より

…こうした厳格な批評態度は,19世紀のM.アーノルドから受けついだものであるとともに,20世紀という大衆文化の時代にこそ,その平均化に抗して生まれる必然性があった。リービスは自分の信念を批評誌《スクルーティニー》(1932‐53)に盛りこみ,また《現代詩における新方位》(1932),《再評価》(1936)などの単行本により結晶させた。しかし,それが最も強烈に独善的なまでに主張されたのが《偉大な伝統》(1948)である。…

※「スクルーティニー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android