ジンジャー(香辛料)(読み)じんじゃー(英語表記)ginger

翻訳|ginger

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジンジャー(香辛料)」の意味・わかりやすい解説

ジンジャー(香辛料)
じんじゃー
ginger

ショウガ地下茎を乾燥し、また粉末とした香辛料。水で洗った地下茎の皮をむき、天日で約8時間乾燥させてつくる。甘い芳香性、さわやかな刺激性のある香りと強い辛味が特徴で、香りの主成分はジンジベロール、辛味の主成分はジンゲロン、ショウガオールである。粉末香辛料はジンジャーブレッド(糖蜜(とうみつ)で甘味をつけジンジャーの香りをつけたパン)、クッキー、プディングなどのベーカリー製品やジンジャーエールなどの飲料に、西洋料理ではカレー粉やピクルス、レバー料理、肉料理に用いられ、他の香辛料となじみがよいので用途は広い。日本では昔から薑(はじかみ)として知られ、なまのものはしょうが(生姜)、生薑(しょうきょう)、乾燥したものは乾薑(かんきょう)、乾姜(かんきょう)とよばれている。しょうがの香味は甘・辛どちらにもあい、とくに生臭みの強いカツオ、サンマ、アジや豚肉、兎(うさぎ)肉、レバーなどのにおい消しに欠かせないもので、甘味とあわせた生姜糖やべっこう生姜も昔から食されている。日本料理では、若い芽しょうがは焼き魚の付け合せに、梅酢に漬けた紅しょうがはすしの彩りに、甘酢漬けのしょうがは握りずしの「がり」として、料理の重要な引き立て役である。また薬味として、せん切り、みじん切り、薄切り、すりおろしにしたものが使われる。中国では、しょうがのことを薑(チヤン)といい、中国料理の風味づけに料理法にあわせて多様に用いられている。

[齋藤 浩]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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