ジョーンズ(Andruw Rudolf Jones)(読み)じょーんず(英語表記)Andruw Rudolf Jones

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ジョーンズ(Andruw Rudolf Jones)
じょーんず
Andruw Rudolf Jones
(1977― )

アメリカのプロ野球選手(右投右打)。大リーグ(メジャー・リーグ)のアトランタ・ブレーブス外野手としてプレーチッパー・ジョーンズとともに、打線中核として14シーズン連続(1994年のストライキを除く)地区優勝を支えた。現役最高といわれる中堅の守りで、守備の要としての役割も果たしている。

 4月23日、オランダ領アンティル諸島キュラソー島(現、オランダ自治領)で生まれる。1994年、ドラフト外でブレーブスに入団。同年、マイナー・リーグのルーキー級に配属され、打率2割9分をマークし、守備でも強肩を披露するなど大器の片鱗(へんりん)をみせる。1995年はA級に上がり、打率2割7分7厘、ホームラン25本、打点100でサウスアトランティック・リーグの最優秀選手(MVP)に選出されるとともに、マイナー・リーグ全体のMVPにも選ばれる。1996年は開幕をA級で迎えたが、その強打ぶりが認められてAA級、AAA級と階段を上がり、8月14日には19歳で大リーグに昇格、地区優勝、リーグ優勝に貢献した。ワールド・シリーズでは第1戦に先発出場し、いきなりホームランを2本放つ大活躍。これは1952年のミッキー・マントルが20歳で記録したワールド・シリーズでの最年少ホームラン記録を破るものであった。1997年からはレギュラーの座につき、看板打者の一人になる。1998年以降は9年連続でホームラン25本以上を放ち、また俊敏な守備で9年続けてゴールドグラブ賞を獲得している。その間、走塁でも進歩をみせて、1997年から4年連続で盗塁20以上を記録。1998年から2000年にかけての3年連続「20本20盗塁」(ホームラン20本以上、盗塁20以上)は、ハンク・アーロン以来、球団史上2人目の快挙であった。2000年はホームラン36本を打ち、オールスター・ゲームに初出場。以降、2006年までに6回出場の常連選手になる。2005年は自己最多と球団記録を更新するホームラン51本で初のホームラン王を獲得するとともに、打点128で初の打点王も手にし、ハンク・アーロン賞(リーグの最優秀打者に贈られる賞)を受賞した。また、2006年もリーグ5位のホームラン41、リーグ4位で自己最多となる打点129をマークした。

[出村義和]

2007年以降

2007年は打率2割2分2厘と低調ながら、ホームラン26本を放ち、94打点。401回の守備機会でわずかに2エラーという安定した守備で、10年連続となるゴールドグラブ賞を受賞した。2008年はロサンゼルス・ドジャース、2009年テキサス・レンジャーズ、2010年シカゴ・ホワイトソックス、2011~2012年ニューヨーク・ヤンキース、2013年から東北楽天ゴールデンイーグルスでプレー。

 大リーグでの通算成績は、出場試合2196、安打1933、打率2割5分4厘、本塁打434、打点1289。獲得したおもなタイトルは、本塁打王1回、打点王1回、ゴールドグラブ賞10回。

[編集部]

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