ジョージア(アメリカ合衆国の州)(読み)じょーじあ(英語表記)Georgia

翻訳|Georgia

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ジョージア(アメリカ合衆国の州)
じょーじあ
Georgia

アメリカ合衆国、南東部の州。人口818万6453(2000)。面積15万2488平万キロメートル。ミシシッピ川以東では最大の州であり、合衆国独立時の13州の一つである。州名はイギリス国王ジョージ2世にちなむ。北はノース・カロライナ州とテネシー州、西はアラバマ州、南はフロリダ州、東はサウス・カロライナ州とそれぞれ接し、南東部は大西洋に面する。州都アトランタ地形的に三つの地区に分かれ、南半分は海岸平野、北部はアパラチア山地で、その間にピードモント台地がある。海岸平野とピードモント台地の境は滝線(フォール・ライン)となっている。土壌も地形を反映して、海岸平野では灰色土または黄灰色土で、ピードモント台地は赤褐色の植土質土壌、アパラチア山地は灰褐色ポドゾル土壌である。気候は湿潤温暖で、アトランタの年降水量は1390ミリメートル、平均気温は1月が5.6℃、7月が25.6℃である。第二次世界大戦以前、主要な産業は綿花を中心とした農業であった。綿花栽培はその後衰退し、ピーナッツ、タバコ、トウモロコシの販売額が綿花のそれを上回るようになった。ピーナッツは南西部に集中し、タバコは中央部と南部の主産物である。作物よりも畜産の販売額の伸びが大きく、とくに養鶏ブロイラー)と肉牛が著しい。ピードモント台地と海岸平野は平地林が多く、豊富な松を利用するパルプ材・木材の生産は南部で第1位である。沿岸部の松林から採取されるテルペンチンと樹脂の生産量は、世界の生産量の約半分を占める。かつて繊維・織物を中心としていた工業にも航空機、自動車、食品、製紙木工、化学製品などが加わり、多様化している。

 1733年、イギリスの将軍オグレソープJames Edward Oglethorpe(1696―1785)が現在のサバナに最初の定住集落を建設し、イギリスの植民地として米、アイ、鹿(しか)皮、木材、樹脂を本国に輸出し、工業製品を輸入していた。19世紀に綿花栽培が普及するにつれて内陸の開拓が進行し、1838年には州の北西部に住んでいたチェロキー人を追い出し、開拓地を拡大した。

[菅野峰明]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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