ジョン(王)(読み)じょん(英語表記)John

翻訳|John

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョン(王)」の意味・わかりやすい解説

ジョン(王)
じょん
John
(1167―1216)

プランタジネット朝第3代のイギリス王(在位1199~1216)。ヘンリー2世の末子あだ名は欠地王Lacklandで、出生時フランス国内の領土が3人の兄にすべて与えられていたことに由来。兄リチャード1世の十字軍出征中王位をうかがったが失敗。その死後即位。フランス王フィリップ2世の破門事件に乗じて大陸領領有を認められたが、ポアトゥー貴族らと係争してフランス王廷に召喚されたが出廷せず、フィリップ2世がかばっていた自分の甥(おい)を殺害してフィリップの怒りを買い、1204年大陸領の大部分を失った。さらに教皇インノケンティウス3世の推すスティーブン・ラングトンStephen Langton(1150?―1228)のカンタベリー大司教就任を抑えて1209年に破門された。1213年に教皇と和解。1215年に内外の失政を批判する貴族から「マグナ・カルタ」(大憲章)の署名を強いられた。しかしその実施をめぐり、教皇の支持を受けてふたたび貴族と対立、その内戦中に病没した。

[富沢霊岸 2022年11月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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