大学事典 「ジュニア・カレッジ」の解説
ジュニア・カレッジ
アメリカ合衆国で成立した短期高等教育機関。1891年,シカゴ大学の初代学長ハーパーは学士課程を2分し,第1・第2学年の修了者に対して第3学年への進学のための資格証を授与,同時に近郊の公立ハイスクールに増設された2年制の卒業後課程の修了者に対しても,シカゴ大学の第3学年への編入を認めるという構想を発表した。この背景には,アメリカの大学教育の第1・第2学年はヨーロッパでは中等教育に属するものであり,大学からこの部分を切り離すことで大学教育のレベルアップをはかるという大学教育観があった。2年制の卒業後課程は,1920年代に独立したジュニア・カレッジとなるが,その教育課程はハイスクールが立地する地域社会の要請に応じた職業教育等の課程も含むものとなった。ジュニア・カレッジは第2次世界大戦後,より総合的な教育機関コミュニティ・カレッジとして,急速な発展をとげることになる。
著者: 坂本辰朗
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報