ジュウケツキュウチュウ(住血吸虫)(読み)ジュウケツキュウチュウ

百科事典マイペディア の解説

ジュウケツキュウチュウ(住血吸虫)【ジュウケツキュウチュウ】

吸虫綱住血吸虫科に属する扁形動物総称。すべて寄生性。雌雄異体で,人間や他の哺乳(ほにゅう)動物,鳥類の血管内に寄生。人体寄生虫は,ニホンジュウケツキュウチュウのほか,ビルハルツジュウケツキュウチュウ(アフリカや西アジアなどに分布),マンソンジュウケツキュウチュウ(アフリカや中南米などに分布)が有名。→キュウチュウ
→関連項目駆虫薬

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世界大百科事典 第2版 の解説

ジュウケツキュウチュウ【ジュウケツキュウチュウ(住血吸虫) schistosome】

扁形動物吸虫綱の住血吸虫科Schistosomatidaeに属する寄生虫の総称。ヒトを固有宿主とするもののなかで重要なものは,ニホンジュウケツキュウチュウSchistosoma japonicum,マンソンジュウケツキュウチュウS.mansoni,ビルハルツジュウケツキュウチュウS.haematobiumの3種である。いずれも雌雄異体である。前2種は門脈内に寄生するため,虫卵の栓塞によって,腸管壁,肝臓その他の臓器組織に虫卵結節が形成される。

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世界大百科事典内のジュウケツキュウチュウ(住血吸虫)の言及

【寄生虫】より

…なお,これらの家畜のほか実験動物にも多数の寄生虫が存在している。【小島 荘明】【本好 茂一】
[寄生虫病の歴史]
 中国の寄生虫病についての歴史は非常に長く,湖南省長沙の馬王堆1号漢墓の女性の死体からジュウケツキュウチュウ(住血吸虫)卵が,湖北省江陵の鳳凰山168号墓の男性死体からジュウケツキュウチュウ,ベンチュウ(鞭虫),ジョウチュウ(条虫)の卵が検出され,前2世紀ごろの中国では寄生虫に広く汚染されていたと推定されている。文献上でも《史記》の倉公伝など,古くから寄生虫についての記載があるが,寄生虫病についても詳しく記載している《諸病源候論》によると,7世紀初頭には伏虫,蚘虫,白虫,肉虫,肺虫,胃虫,弱虫,赤虫,蟯虫の9種の寄生虫が知られていた。…

※「ジュウケツキュウチュウ(住血吸虫)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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