ジャングル(英語表記)jungle

翻訳|jungle

精選版 日本国語大辞典 「ジャングル」の意味・読み・例文・類語

ジャングル

〘名〙
① (jungle) 樹木が密生し下生えの繁茂した熱帯の森林。常緑樹、つる植物などが密生する。熱帯雨林をさすこともあるが、その縁辺部の森林をいうことが多い。密林。
※鮫(1937)〈金子光晴〉鮫「密林(ジャングル)の喉へ匕首(クリス)のやうに刺さってる川」

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デジタル大辞泉 「ジャングル」の意味・読み・例文・類語

ジャングル(jungle)

常緑樹・蔓性つるせい植物などが絡み合うように密生した森林。一般には熱帯降雨林をいう。密林。
[補説]書名別項。→ジャングル
[類語]木立森林密林山林雑木林林野樹海樹林保安林防風林防雪林砂防林防砂林原生林原始林熱帯雨林熱帯降雨林熱帯林温帯林寒帯林紅樹林マングローブ広葉樹林針葉樹林落葉樹林照葉樹林松林杉林梅林竹林

ジャングル【The Jungle】[書名]

シンクレア長編小説。1906年刊。シカゴの精肉加工場の不衛生な実態を暴いた作品で、連邦食品・医薬品法誕生のきっかけとなった。

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改訂新版 世界大百科事典 「ジャングル」の意味・わかりやすい解説

ジャングル
The Jungle

アメリカの小説家シンクレア社会主義的暴露小説。1906年刊。社会主義雑誌の依頼で,シカゴの家畜市場を数週間調査した時の体験に基づいた作品。リトアニア移民の食肉缶詰工場労働者の主人公が,苛烈な労働条件と悲惨な生活の中で徐々に社会主義に傾斜していく様を描いた。特に缶詰工場の不潔な実態の生々しい描写は反響を呼び,純正食品・薬事法(1906)制定の原因となった。マックレーカーズ文学の代表作。大正末期,前田河広一郎によって翻訳された。
執筆者:

ジャングル
jungle

密林のことであるが,特につる性の植物の混じった熱帯降雨林のことを指すことが多い。語源ヒンドゥスターニー語のjȧngal(荒地)。熱帯の原生林では,巨木が樹冠を広げるために,下生えが乏しくなることが多く,つる性の植物に阻まれて前進もできない密林というのは原生林が破壊された後に二次的に生じたものであることが多い。このような密林では種の多様度が極端に高く,そこにさまざまな動物も生息している。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャングル」の意味・わかりやすい解説

ジャングル
The Jungle

アメリカの小説家アプトン・シンクレアの小説。 1906年刊。シカゴの缶詰工場を舞台に,ねずみが群れ,結核患者が痰を吐き散らすという恐るべき環境のなかで働く,しいたげられた労働者の生活を描いて,アメリカ資本主義発展の裏面にひそむ矛盾をつき,アメリカにおけるプロレタリア小説の最高傑作と認められる。大きな反響を呼んだが,皮肉なことに労働者の窮状よりも食肉の衛生に対する世論を喚起し,純正食品薬事法の制定に力があった。

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デジタル大辞泉プラス 「ジャングル」の解説

ジャングル

日本テレビドラマ。放映は日本テレビ系列(1987年2月~12月)。全35回。脚本:小川英ほか。出演:鹿賀丈史、西山浩司、勝野洋、江守徹、大沢逸美、桑名正博ほか。刑事ドラマ

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世界大百科事典(旧版)内のジャングルの言及

【プログレッシビズム】より

…なかでもマックレーカーズ(暴露屋)と呼ばれたジャーナリストたちは暴露記事で社会の裏面に潜む諸悪を市民に印象づけた。文学でもアプトン・シンクレアの小説《ジャングル》(1906)は,シカゴの食肉加工産業の不衛生きわまりない実態を描いて全米に衝撃を与え,1906年の食肉検査法と純良食品薬剤法の成立へと世論を盛り上げるのに貢献した。国民の革新の熱意を直接反映して,政治の革新主義は都市と州で始まった。…

※「ジャングル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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