ジャン=クリストフ(英語表記)Jean-Christophe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジャン=クリストフ」の意味・わかりやすい解説

ジャン=クリストフ
Jean-Christophe

フランスの作家ロマンロラン大河小説。 1904~12年,雑誌『半月手帖』に発表。全 10巻に及ぶ大作で,世界的な反響を呼んだ。ドイツ生れの天才的音楽家ジャン=クリストフの一生を通して,真の芸術生命から生れ,夢や幻想を糧とするのではなく,芸術家が魂の平静に達するために乗越えねばならない苦痛や失敗を糧とするものであると主張した教養小説。同時に普仏戦争から第1次世界大戦直前までのヨーロッパ諸国の芸術,文明道徳を痛烈に批判した社会小説でもある。ロランはこの作品によって,15年にノーベル文学賞を受けた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ジャン=クリストフ」の解説

ジャン=クリストフ
Jean Christophe

フランスの作家ロマン=ロランの長編小説
1904〜1912年作。ドイツの架空の音楽家クリストフの伝記の形をとり,誠実で熱情的な主人公が,偽善や不正,困難や障害と闘い,しだいに人生を学んでゆく過程を描く。ベートーヴェンモデルといわれる。この作品により,ロマン=ロランは1915年度ノーベル文学賞を受賞

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