ジャコバン主義
ジャコバンしゅぎ
Jacobinisme
フランス革命において,おもに M.ロベスピエールや L.サン=ジュストらに代表される思想。彼らの社会理念は,小市民階級的平等主義であり,所有権は自然権ではなく社会制度であり否定せず制限されるべきであると「小所有者の共和国」を説いた。この点でサン=キュロットの要求と一致し,それは 1794年のバントーズ法に表明された。しかし,その政治的現実として,非常事態に対処する公権力の自己防衛,すなわち革命独裁を主張し,サン=キュロットの直接民主政理念と対立した。山岳派独裁は,社会理念において一致するサン=キュロットを誘導しながら政治現実としての国家権力の自己防衛を強行するものであった。
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ジャコバンしゅぎ【ジャコバン主義 jacobinisme】
フランス革命期,とくに1793年から94年にかけて,ジャコバン・クラブに属する革命家たちが抱いた思想および行動方針。政治的結社としてのジャコバン・クラブそのものは89年秋から94年末まで存在したが,その全期間を通じて一貫した方針というものはなく,革命の進行につれてジャコバン・クラブをリードする政治勢力は交替し,93年初めにジロンド派に代わって山岳派がジャコバン・クラブの主導権を握った。一般にジャコバン主義といわれるのは,この山岳派(とくにロベスピエール)が主導するようになってから94年テルミドール9日までの期間におけるジャコバン・クラブの人々の方針を指す。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報