ジムロック(英語表記)Karl Simrock

改訂新版 世界大百科事典 「ジムロック」の意味・わかりやすい解説

ジムロック
Karl Simrock
生没年:1802-76

ドイツのゲルマン文献学者,抒情詩人ボンに生まれ,ボンに没す。ボン,ベルリン両大学で法学と文献学を修めたのち,プロイセン司法官試補となったが,1830年,フランスの七月革命を賛美する詩を発表して免職となる。その後はボンにあって,特にドイツ中世文学の研究と翻訳,民話伝説の収集に専念,50年以降ボン大学教授をつとめた。《ニーベルンゲンの歌》をはじめとする多くの中世文学の翻訳によって,ロマン派の中世受容をたすけ,またR.ワーグナーにも影響を与えた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジムロック」の意味・わかりやすい解説

ジムロック
Simrock, Karl Joseph

[生]1802.8.28. ボン
[没]1876.7.18. ボン
ドイツの文学研究者,詩人。ボン大学教授として,古代ゲルマンおよび中世ドイツ文学の研究,近代語訳に果した功績は大きい。詩人としては,ウーラント風のバラードを得意とした。『ニーベルンゲンの歌』 (1827) ,『英雄詩集』 Das Heldenbuch (6巻,43~49) など多数の翻訳のほか,『詩集』 Gedichte (44,63) がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android