ジェームズ湾(読み)ジェームズわん(英語表記)James Bay

改訂新版 世界大百科事典 「ジェームズ湾」の意味・わかりやすい解説

ジェームズ湾 (ジェームズわん)
James Bay

カナダハドソン湾内南東部の湾入。湾名は,1631,33年にこの地方を探検したイギリス人ジェームズThomas Jamesにちなむ。南北450km,東西250km。冬は結氷する。西岸オンタリオ州東岸ケベック州に属するが,湾内のアキミスキ島などはノースウェスト・テリトリーズに属する。湾岸人口希薄で,フォート・ジョージ,ムースニー,レーク・リバーなどの交易所があるのみ。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジェームズ湾」の意味・わかりやすい解説

ジェームズ湾
じぇーむずわん
James Bay

カナダ、オンタリオ州とケベック州の境にあるハドソン湾の支湾。ハドソン湾より南に400キロメートルほど入り込んでいる。東西約220キロメートル。冬季は氷に覆われる。湾内にはアキミスキ島をはじめいくつかの小島がある。湾西側はハドソン湾低地、東側と南側は低地からすぐに花崗(かこう)岩、片麻(へんま)岩からなる緩やかな起伏のカナダ楯状地(たてじょうち)に移る。湾岸は針葉樹林帯からツンドラ地域に移る漸移帯にあたる。湾南岸のムースニーに鉄道が通じる。1610年ヘンリー・ハドソンが発見し、31年に探検したイギリスのジェームズ・トーマスにちなみ名づけられた。

[大竹一彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジェームズ湾」の意味・わかりやすい解説

ジェームズ湾
ジェームズわん
James Bay

カナダ,ハドソン湾南部の小湾。ケベック州とオンタリオ州の州境にある。 1610年イギリスの航海士ヘンリー・ハドソンが到達,31年この湾内に入った T.ジェームズ船長の名前で呼ばれるようになった。行政上は,ノースウェスト准州に属する。水深 60m以下の塩分の少い浅い海で,アキミスキ島,チャールトン島などが浮び,アタワピスカト川,アビティビ川など多数の河川が流入する。沿岸にはハドソン湾会社の交易所を起源とする,フォートジョージ,イーストメーン,ムースニーなどの集落がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android