ジェンティーレダファブリアーノ(英語表記)Gentile da Fabriano

改訂新版 世界大百科事典 の解説

ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ
Gentile da Fabriano
生没年:1370ころ-1427

イタリアの画家中部イタリア,マルケ地方のファブリアーノ生れ。1408年にベネチアに,14年にはブレシアに滞在し,壁画の仕事に従事していたことが記録されているが,作品は現存しない。この北イタリア旅行により,流行国際ゴシック様式の影響を受け,23年にフィレンツェ祭壇画《三博士の参拝》を制作。この作品は宮廷絵巻を思わせるほどに,画面が,豪華な衣装に身を包んだみやびやかな人々や異国趣味的な珍しい動植物で埋め尽くされ,国際ゴシック様式の典型例となっている。晩年は教皇マルティヌス5世に呼ばれてローマに行き,同地で没。ベネチアの画家たちやピサネロに与えた影響は大きい。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジェンティーレダファブリアーノの言及

【ピサネロ】より

…1395年以前にピサに生まれ,幼いときに母の生地ベローナに移り,おそらく同地でステファノ・ダ・ゼビオStefano da Zevio(1374ころ‐?)について修業したものと思われるが,初期の作品にはアルティキエロAltichieroの影響も看取される。1415‐22年ベネチアに招かれ,パラッツォ・ドゥカーレでジェンティーレ・ダ・ファブリアーノが着手した連作壁画の制作を引き継いだ(作品は現存せず)。ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノの影響は〈ベネディクトゥス伝〉を描いた4枚のパネル(ウフィツィ美術館)に顕著である。…

※「ジェンティーレダファブリアーノ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android