シーボーグ(読み)しーぼーぐ(英語表記)Glenn Theodore Seaborg

デジタル大辞泉 「シーボーグ」の意味・読み・例文・類語

シーボーグ(Glenn Theodore Seaborg)

[1912~1999]米国の化学者。原子番号94番のプルトニウム以下、10種の超ウラン元素核反応生成させ、その性質を解明した。1951年、E=M=マクミランとともにノーベル化学賞受賞。

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精選版 日本国語大辞典 「シーボーグ」の意味・読み・例文・類語

シーボーグ

〘名〙 (Glenn Theodore Seaborg グレン=シオドア━) アメリカの化学者。カリフォルニア大学で、九四番元素プルトニウムをはじめ、一〇三番までの超ウラン元素をつくった。一九五一年ノーベル化学賞受賞。(一九一二‐一九九九

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シーボーグ」の意味・わかりやすい解説

シーボーグ
しーぼーぐ
Glenn Theodore Seaborg
(1912―1999)

アメリカの化学者、物理学者。4月19日ミシガン州イシュペミングに生まれる。カリフォルニア大学で化学の学位取得(1937)後、同大学講師、助教授を経て教授(1945)となる。1958~1961年同大学学長(創立以来の最年少)を務める。彼を中心とする研究グループは、1940年暮れ同大学のローレンスのところで、加速器を用いるウラン原子核の人工放射性変換によって94番元素プルトニウムを発見、1941年3月には極微量であるがプルトニウムの生産に成功した。これを契機原子爆弾製造計画(マンハッタン計画)はプルトニウム原爆(長崎投下原爆)を中心として急速に進み、シーボーグはそのなかでプルトニウム生産を担当推進した。1944年95番元素アメリシウムと96番元素キュリウムを発見、1946年放射性核種崩壊系列の一つのアクチニウム系の提唱命名、1949年97番元素バークリウムと1950年98番元素カリホルニウムを発見し、1951年これらの超ウラン元素の発見に対してE・M・マクミランとともにノーベル化学賞を受ける。1953年アメリカのビキニ環礁水爆実験によって生じた放射性サンゴの砕片から99番元素アインスタイニウムと100番元素フェルミウムを発見、さらに1950年代後半に101番元素メンデレビウムと102番元素ノーベリウムを発見。そして、1961年の103番元素ローレンシウムの発見も加え、シーボーグとそのグループは今日認められている超ウラン元素の大半を発見した。アメリカ原子力委員長をはじめ大統領科学諮問委員などを歴任した。

[大友詔雄 2018年8月21日]

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百科事典マイペディア 「シーボーグ」の意味・わかりやすい解説

シーボーグ

米国の物理化学者。カリフォルニア大学で学び,1945年同大学教授,1961年以降米国原子力委員会委員長。1940年E.M.マクミランとともに94番元素プルトニウム238Puを核反応でつくり,翌年その同位元素239Puを,1944年には95番元素アメリシウム,96番元素キュリウムをつくった。1946年第二の希土類がトリウムから始まることを提唱し,これをアクチノイド系列と名付け,後97〜103番の超ウラン元素を共同研究者とともにつくり出した。1951年ノーベル化学賞。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーボーグ」の意味・わかりやすい解説

シーボーグ
Seaborg,Glenn Theodore

[生]1912.4.19. ミシガン,イシュペミン
[没]1999.2.25. カリフォルニア,ラフェーエット
アメリカの物理化学者。 1937年カリフォルニア大学で学位取得。第2次世界大戦中,原子爆弾を製造するマンハッタン計画に参加。 45年カリフォルニア大学教授,58年より 62年まで同大学学長をつとめた。原子力委員会委員長 (1961~68) 。 1940年 E. M.マクミランらとプルトニウム 239を発見した。以後アメリシウムとキュリウム (1944) ,バークリウム (49) ,カリホルニウム (50) ,アインスタイニウム (52) ,フェルミウム (53) ,メンデレビウム (55) ,ノーベリウム (57) ,ローレンシウム (61) といわゆる超ウラン元素を次々と発見。また 46年にトリウムから始る第2の希土類をアクチノイド系と命名したことでも知られる。 51年 E.マクミランとともにノーベル化学賞受賞。

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化学辞典 第2版 「シーボーグ」の解説

シーボーグ
シーボーグ
Seaborg, Glenn Theodore

アメリカの化学者.1937年カリフォルニア大学バークレー校で学位を取得し,そのまま同校に就職,のちに教授となる.1940年のネプツニウム発見を受け,E.M. MacMillan(マクミラン)より,94番元素探求を引き継いだ.共同研究者らと,酸化ウランに重陽子を照射したところ,α放射体の生成を確認,化学的処理を経て,その同定に成功した.これが94番元素プルトニウムである(1941年).こうした業績に対し,1951年MacMillanとともにノーベル化学賞を受賞.プロトニウム発見後も,新しい102番までの超ウラン元素を次々と発見していくが,それに先立ち,アクチニウム以降の元素が,第二の希土類アクチノイドとして存在するという説を提唱した(1944年).戦時中は,プルトニウムの核分裂を確認し,原爆開発のため,その大量分離法開発の指導にあたり,戦後は,アメリカ原子力委員長(1961~1971年)をはじめとして,歴代の大統領に近い多くの顕職を務めた.

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