シースターン地方(読み)シースターンちほう(英語表記)Sīstān

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シースターン地方」の意味・わかりやすい解説

シースターン地方
シースターンちほう
Sīstān

イラン東部,アフガニスタン南西部にまたがる,広大な辺境地域。全面積約4万 5000km2のうち,40%がイラン領,60%がアフガニスタン領。全人口の約半数がイランのザーボル地域に住んでいる。この地域は標高 450~520mの広い窪地で,多くの川が一連の沼沢地に注ぎ,増水時には浅い湖水を形成し,あふれて南のより低い窪地に流込む。ファラー川のラシュ・ジュワイン三角州,カシュ川のチャクハーンスール三角州,ヘルマンド川の狭義のシースターン三角州がおもな定住地となっている。地域はまったくの砂漠気候で,年間降水量は 100mmにも達しない。夏季はきわめて暑く,冬季は凍りつくほど寒い。夏季には 120日間続くといわれる北風 (シースターン) が吹き,その風食作用はかなりのものである。住民の多くはタジク人であるが,混血が進んでいる。遊牧生活をおくるバルチ人,ブラーフーイ人も優勢で,ほかにジャート人,グジャール人,コブウシを飼っているガブダル人もいる。 (→シースターン・バ・バルチスターン州 )

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android