シーイング(英語表記)seeing

翻訳|seeing

デジタル大辞泉 「シーイング」の意味・読み・例文・類語

シーイング(seeing)

天体を観測する際の星の見え方。上空大気乱流によって起こる星像の乱れと、空の透明度のよしあしが関係する。5または10段階にし、最良の状態を5または10とする。

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精選版 日本国語大辞典 「シーイング」の意味・読み・例文・類語

シーイング

〘名〙 (seeing) 天体を観測する際の大気の状態の適性のこと。一〇(または五)から一までの数字で表わし、天体像が少しも動かず、静止して見えるときを一〇(または五)、像が乱れてまったく観測不能のときを一とする。視相。

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改訂新版 世界大百科事典 「シーイング」の意味・わかりやすい解説

シーイング
seeing

望遠鏡で星などの天体の像を見たときに,地球大気の乱れや,望遠鏡内部の空気の乱れによって,その像がぼやけたり不規則に変動することをいう。シーイングがよいとは,星の場合については像の大きさが小さく,また像のゆれ動きが少ない状態を指す。明るさの変動や,位置の変動をシンチレーションと呼んで区別する場合もある。天体の1点から発した光はほとんど平面波となって地上に達するが,空気の屈折率が時間的にも空間的にも一定でないと,空気が変動するレンズ役割を果たすために光の波面が複雑な曲面になって像の乱れが起こるのである。口径10cm程度の小望遠鏡では星の像は小さく見えるが位置と明るさの変動が激しく,大きな望遠鏡では変動は重ね合わされるために小さくなるものの星像の直径は大きくなる。上空の大気の乱れは季節(日本では夏がよい)や空気の透明度と関係し,また望遠鏡近くの乱れはドーム,建物や地上からの高さ(15m以上高いことが望ましい)に関係している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シーイング」の意味・わかりやすい解説

シーイング
seeing

天体観測の際の大気の動揺その他原因による観測条件の良否をいい,望遠鏡に写る星像のちらつきとして現れる。

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世界大百科事典(旧版)内のシーイングの言及

【シンチレーション】より

…惑星がまたたかないのは,地上から見たときに惑星の面の中にいくつもの大気の粗密の要素が重なって入っているために,ならされてしまうからである。シーイングseeingともいうが,シンチレーションは明るさの変動を意味することが多い。電波天文学では,電離層や惑星間空間での電子密度の粗密による回折のため起こる電波星の〈またたき〉をシンチレーションという。…

【シンチレーション】より

…惑星がまたたかないのは,地上から見たときに惑星の面の中にいくつもの大気の粗密の要素が重なって入っているために,ならされてしまうからである。シーイングseeingともいうが,シンチレーションは明るさの変動を意味することが多い。電波天文学では,電離層や惑星間空間での電子密度の粗密による回折のため起こる電波星の〈またたき〉をシンチレーションという。…

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