シンプリキオス(英語表記)Simplikios

改訂新版 世界大百科事典 「シンプリキオス」の意味・わかりやすい解説

シンプリキオス
Simplikios

古代末期新プラトン派哲学者生没年不詳(盛年530年ころ)。キリキアに生まれ,アテナイアレクサンドリアで活躍した。アリストテレスの《天界論》《自然学》《霊魂論》《範疇論》の注釈,およびエピクテトスの《備忘録》の注釈が残っている。これらの注釈は,前ソクラテス期の哲学者の断片多数保存していることで哲学史上重要である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンプリキオス」の意味・わかりやすい解説

シンプリキオス
Simplikios

530年頃活躍したギリシアの哲学者。アンモニオスダマスキオスに学び新プラトン主義を奉じた。ユスチニアヌス帝によるアテネのアカデメイア閉鎖後 (529) ,ダマスキオスほか新プラトン派の人々とペルシアへおもむく。 533年アテネへ帰還後,プラトンとアリストテレスを対比しつつアリストテレスの『範疇論』『自然学』『天体論』『霊魂論』についてすぐれた注釈を著わした。特に『自然学』の注釈はソクラテス以前の哲学者の断片的記述を含む点で貴重な資料である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android