シリコーン油(読み)シリコーンゆ

精選版 日本国語大辞典 「シリコーン油」の意味・読み・例文・類語

シリコーン‐ゆ【シリコーン油】

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デジタル大辞泉 「シリコーン油」の意味・読み・例文・類語

シリコーン‐ゆ【シリコーン油】

比較的重合度の低いシリコーンで、油状のもの。水をはじく性質がある。潤滑油・変圧器油・防水剤などに使用

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化学辞典 第2版 「シリコーン油」の解説

シリコーン油
シリコーンユ
silicone oil

一般に,-R2Si-O-(Rはアルキル基)の繰り返し単位をもつ高分子化合物をシリコーンとよぶ.シリコーンはRの種類,重合度,分子の形状などによって物性を異にし,液状のものからゴム状,さらに樹脂状にもなる.このなかで,比較的重合度の低い油状の直鎖状ポリジメチルシロキサンをシリコーン油という.グリニャール反応,ケイ素とハロゲン化アルキルとの直接反応,ハロゲン化シランへのオレフィン付加などで得られるアルキルジハロシラン(たとえば,R2SiCl2)を加水分解し,生じるジオール(R2Si(OH)2)の脱水縮合によってポリシロキサンが得られる.熱的,化学的安定性にとくにすぐれ,電気的性質もよく,蒸気圧の低い液体.そのため,とくに高温や低温で作動する機械類の減摩剤,潤滑油として使われることが多い.ほかに真空拡散ポンプ用の油,蓄電器,変圧器用油,離型剤として用いられ,さらに,はっ水性を利用して繊維の防水処理剤としても用いられる.

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シリコーン油」の意味・わかりやすい解説

シリコーン油
しりこーんゆ
silicone oil

シリコーンのうち分子量の比較的小さく、常温で油状のものをいう、熱や化学的に安定性が高く、電気的性質も優れ、蒸気圧も小さい。高温や低温で作動する機械類の減摩剤、潤滑油として多く使用されている。そのほか真空拡散ポンプの油、変圧器用油、離型材、消泡材などに用いられている。

垣内 弘]

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世界大百科事典(旧版)内のシリコーン油の言及

【ケイ素樹脂(珪素樹脂)】より

…シリコーンともいう。化学式に示したR,R′あるいは重合度nを変えることによって,油状(シリコーン油),ゴム状(シリコーンゴム),樹脂状(狭義のケイ素樹脂,シリコーン樹脂)と多様に変化する。なお中心元素であるケイ素はシリコンsiliconと表現される。…

※「シリコーン油」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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