日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ショー(Irwin Shaw)
しょー
Irwin Shaw
(1913―1984)
アメリカの劇作家、小説家。2月27日ニューヨーク市に生まれる。ブルックリン・カレッジ在学中から劇作を始め、反戦劇『死者を葬れ』(1936)、独裁制の脅威を警告する『良家の人々』(1939)ほか数編の作品によって、社会派の劇作家として認められるようになった。最初の長編小説『若き獅子(しし)たち』(1948)は、敵味方に分かれて殺し合うしかない3人の若い兵士の運命をたどる劇的構成で、第二次世界大戦の戦争体験が生んだ重要作品の一つとして評価される。以後、小説作品は、左翼思想の持ち主であるとして非難されマッカーシズムの圧力に苦しむラジオ声優を扱った『騒然たる放送界』(1951)、中年女性のロマンス『ルーシー・クラウン』(1956/邦訳名『湖畔の情事』)、中年男の悲哀をつづる回想記『夏の日の声』(1965)、話題作『リッチマン・プアマン』(1970/邦訳名『富めるもの貧しきもの』)などのほかに、数冊の短編集がある。
[齊藤忠利]
『佐伯彰一訳『湖畔の情事』(1959・三笠書房)』
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