ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュワルツ」の意味・わかりやすい解説
シュワルツ
Schwartz, Laurent
[没]2002.7.4. パリ
フランスの数学者。エコール・ノルマル・シュペリュールとパリ大学に学ぶ。パリで数学の博士号を取得したのち,1945~52年ナンシー大学,1959~60年および 1963~83年エコール・ポリテクニクで教授を務めた。1950年,アメリカ合衆国のケンブリッジで開催された国際数学者会議で,超関数と呼ばれる関数概念の一般化の理論により,フィールズ賞を受賞した。シュワルツ以前にも,物理学者はポール・ディラックのδ関数と呼ばれる密度分布を扱ってきた。δ関数は x≠0 のとき値が常に 0で,x=0 で無限大となり,数直線全体での積分値が 1になるという性質をもつ。シュワルツはコンパクトな台をもつ,なめらかな関数全体の空間の双対空間の要素として,このような一般化された関数を定式化する関数解析の手法により,超関数の理論を確立した。シュワルツの超関数の理論はその後,偏微分方程式,ポテンシャル論,スペクトル理論などに応用された。
シュワルツ
Schwartz, Melvin
[没]2006.8.28. アイダホ,トウィンフォールズ
アメリカ合衆国の物理学者。コロンビア大学で物理学を学び,1958年博士号を取得。 1958~66年コロンビア大学の教壇に立ち,1966~83年にスタンフォード大学教授。同大学在職中の 1970年にコンピュータ・セキュリティ会社のデジタルパスウェイズを設立。 1991年ブルックヘブン国立研究所のアソシエイト・ディレクターに就任すると同時にコロンビア大学教授として復職,2000年に名誉教授。 1962年,コロンビア大学の同僚レオン・M.レーダーマン,ジャック・スタインバーガーとともに,ニュートリノの実験をしやすくする方法を考案し,この方法でミューニュートリノを発見した。この功績によって3人は,1988年ノーベル物理学賞をともに受賞した。
シュワルツ
Shvarts, Evgenii L'vovich
[没]1958.1.15. レニングラード
ソ連の劇作家。若い頃から演劇に興味をもち,ロストフでアマチュア劇団「演劇アトリエ」を創設,劇作家と俳優を兼ねる。 1921年劇団とともにレニングラードに移り成功を博したが,ネップ時代に解散。 24年頃から児童文学,劇作に専念した。童話や民話のモチーフを生かした幻想的,風刺的戯曲を数多く書いた。代表作『裸の王様』 Golyi korol' (1934) ,『影』 Ten' (40) ,『ドラゴン』 Drakon (44) ,映画のシナリオ『シンデレラ』 Zolushka (47) ,『ドン・キホーテ』 Don Kikhotなど。戯曲は 1960年代にモスクワの現代人劇場 (ソブレメンニク) などで再演された。
シュワルツ
Schwarz, Friedrich Heinrich Christian
[没]1837.4.3. ハイデルベルク
ドイツの神学者,教育学者。ギーセン大学神学教授の子に生れたが,聖書解釈上の意見の相違から父が職を奪われたため苦学してギーセン大学を卒業した。卒業後ルター派の牧師となり布教活動に従事。 1804年ルター教徒としては初めてのハイデルベルク大学教授に迎えられ,他界するまで神学を講じた。カント哲学から出発し,ロマン主義を経て,神秘主義の立場に立った。主著『子女教育論』 Grudriss einer Theorie der Mädchenerziehung (1792) ,『教育学』 Erziehungslehre (4巻,1801~13) 。
シュワルツ
Schwarz, Berthold
シュワルツ
Schwartz, Maurice
[没]1960
ユダヤ人の俳優,演出家。 1919年ニューヨークに「ユダヤ芸術劇場」を結成,ユダヤ演劇の育成に貢献した。
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