シュワルツワルト山地(読み)しゅわるつわるとさんち(英語表記)Schwarzwald

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュワルツワルト山地」の意味・わかりやすい解説

シュワルツワルト山地
しゅわるつわるとさんち
Schwarzwald

ドイツ南西部の山地。「黒い森」の意。ヨーロッパ中部のヘルシニア山系に属する。ライン地溝帯の東側に北北東―南南西の方向に延び、長さ160キロメートル、幅は北部で20キロメートル、南部で60キロメートル。西側は比較的急傾斜であるが、東側は緩やかな斜面をなす。キンツィヒ川により北部と南部に分かれ、北部の最高峰はホルニスグリンデHornisgrinde山(1164メートル)、南部の最高峰はフェルトベルクFeldberg山(1493メートル)。北部は中生代の赤色砂岩が卓越し、南部は花崗(かこう)岩や片麻(へんま)岩からなる。全般に山容はなだらかで、降水量が多く(とくに西斜面では年2200ミリメートル)、斜面は森林(主として針葉樹林)に覆われるが、緩やかな部分には牧草地が開け酪農が行われている。ティティ湖Titiseeなどの美しい湖や多くの保養地があり、観光・保養客が多い。山間部では精密機械、木製品、繊維などの工業が行われている。

[浮田典良]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android