シュノーケル(読み)しゅのーける(英語表記)snorkel

翻訳|snorkel

精選版 日本国語大辞典 「シュノーケル」の意味・読み・例文・類語

シュノーケル

〘名〙 (Schnorchel)
① 第二次世界大戦中、ドイツが開発した潜水艦の吸排気装置潜望鏡レーダーアンテナとともに、潜航中も水面上に通気管を出して吸排気を行ない、ディーゼル機関運転ができるようにした。
水面下呼吸するための簡易な器具
※諜報局破壊班員(1965)〈大藪春彦水中戦「シュノーケルから排気の気泡をたてながら少し歩くと、たちまち波が頭の上で躍りだした」

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デジタル大辞泉 「シュノーケル」の意味・読み・例文・類語

シュノーケル(snorkel/〈ドイツ〉Schnorchel)

《「スノーケル」とも》
第二次大戦中にドイツが開発した潜水艦用の通風・排気装置。これによって潜航中でもディーゼル機関作動が可能になった。
スキンダイビングに用いる呼吸器具。潜水のとき下端を口にくわえ、上端を水面に出して呼吸を行うもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュノーケル」の意味・わかりやすい解説

シュノーケル
しゅのーける
snorkel
schnorkel
schnorkle

スイマーダイバーが水面下を息つぎなしに泳ぐ際に、潜水マスクとともに使用するパイプ状の呼吸補助具。ドイツ語の海軍俗語として、鼻を意味するSchnockelに由来する。また、潜水艦の換気装置を意味する。

 シュノーケルの長さは一般的に30センチメートルほどで、口にくわえるマウスピース部分、ホース、マスクに取り付けるバンドからなる。ホースの上端を水面上に出し、下端につけてあるマウスピースを口でくわえて呼吸する。シュノーケルを使うことにより、水中を見ながら泳いでも水面上の空気を吸うことができ、楽に呼吸することができる。

 サンゴ礁などの海中景観を楽しむため、シュノーケル、潜水マスク、フィン(足ひれ)を使用する手軽なスキンダイビングのことをシュノーケリングschnorkelingとよぶこともある。スキューバダイビングでも、水面を泳ぐときは携行空気を節約するためシュノーケルを使用する。シュノーケルは内容積が約100ミリリットルが標準で、換気量の問題から肺活量の少ない女性や青少年は内容積の少ないもの(ホースの長さが短く径の細いもの。径が太いと排水しづらい)を選ぶ必要がある。

[山田 稔]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュノーケル」の意味・わかりやすい解説

シュノーケル
schnörkel; snorkel

潜水艦の潜航中,艦内換気とエンジンの給排気を兼ねた吸気筒と排気筒を艦橋から海面上に突き出した装置。この装備によりディーゼルエンジン運転で長時間潜航ができる。考案は古くからあり,有名な佐久間大尉の潜航艇遭難 (1910) もこの実験の失敗によると伝えられる。実用装置はオランダの発明で,第2次世界大戦中ドイツが取得し,次いで日本でも装備された。しかしこれは構造上潜望鏡より高くできないので,それより深い潜航は電池によらざるをえない。原子力潜水艦は空気浄化装置があれば本器は不要である。シュノーケルの名は現在は潜水遊具として管状の空気呼吸器に転用され,そのほうが親しまれている。ドイツ語 schnörkelの原義はギリシア語源で神殿の柱頭の渦巻紋様。日本語の発音はドイツ語と英語の混り合ったものである。なお遊具のシュノーケルと同じものは日本で古く忍者が使ったという。

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改訂新版 世界大百科事典 「シュノーケル」の意味・わかりやすい解説

シュノーケル
Schnorchel[ドイツ]

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世界大百科事典(旧版)内のシュノーケルの言及

【スノーケル】より

…低地ドイツ語で鼻を意味する方言Schnorchelに発し,シュノーケルともいう。浅い海面で海中に空気を吸いこんだり排出したりするための管系をいう。…

※「シュノーケル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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