シュタインタール(読み)しゅたいんたーる(英語表記)Heymann (Hajim) Steinthal

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュタインタール」の意味・わかりやすい解説

シュタインタール
しゅたいんたーる
Heymann (Hajim) Steinthal
(1823―1899)

ドイツの言語学者、哲学者。1863年からベルリン大学教授を務める。初めフンボルトの影響を受け、彼の思想に沿った言語の類型論的研究を言語学の最大の使命と考える。「孤立語膠着語(こうちゃくご)→屈折語」という言語進化に関するシュライヒャー仮説には反対し、当時の史的言語研究法に対しても否定的立場をとった。のちにヘルバルト心理学に関心を寄せ、心理学的接近法を唯一可能な正しい言語研究法とみなすようになる。言語の発生における創造性を探るため、幼児言語や日常の言語運用にも興味をもつ。ラツァルスMoritz Lazarus(1824―1903)とともに1860年『民族心理学と言語学の研究誌』を創刊。民族心理学の創始者の一人でもある。

[在間 進 2018年6月19日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュタインタール」の意味・わかりやすい解説

シュタインタール
Steinthal, Heymann

[生]1823.5.16. グレープツィヒ
[没]1899.3.14. ベルリン
ドイツの言語学者。 J.ヘルバルトの心理学と W.フンボルトの言語理論から出発して,言語現象を心理的に解明しようとする,いわゆる心理主義の言語学を推し進めた。 1859年に M.ラーツァルスとともに『民族心理学・言語学雑誌』 Zeitschrift für Völkerpsychologie und Sprachwissenschaftを創刊,言語の類型の研究から民族心理を知ることを目標にした。『言語構造の主要類型の特徴』 Charakteristik der hauptsächlichsten Typen des Sprachbaues (1860) などの著書がある。

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367日誕生日大事典 「シュタインタール」の解説

シュタインタール

生年月日:1823年5月16日
ドイツの言語学者
1899年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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