シャー・ワリーウッラー(英語表記)Shāh Walī-allāh

山川 世界史小辞典 改訂新版 「シャー・ワリーウッラー」の解説

シャー・ワリーウッラー
Shāh Walī Allāh

1703~62

インドのイスラーム改革思想家。デリー生まれ。神学者であった父から学び,さらにメッカメディナで学んで,帰国後,教育と著作に従事。衰退期のムガル帝国の現実を目撃しつつ,イスラームと社会の改革を訴えた。コーランハディースにもとづいて,イスラームの宗教的対立の止揚聖者崇拝などの非イスラーム的な社会慣習の改革を説き,搾取的な当時の社会体制を批判した。また,コーランのペルシア語訳も行った。彼の思想は,19世紀の反英運動に大きな影響を与えた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャー・ワリーウッラー」の意味・わかりやすい解説

シャー・ワリーウッラー
Shāh Walī-allāh

[生]1702/1703. デリー
[没]1762. デリー
インドのイスラム神学者,近代イスラム思想の創始者アラビアヒジャーズ地方におもむき,特にハディース研究を修めた。思想的には伝統主義立場に立ちながらも,ムガル帝国末期のムスリム社会の状況を見つめ,時代変化に対応しうる寛容を説いた。

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